雨天時は釣りをためらう人も多いですが、実は魚の活性が上がる大チャンスです。
濁った水と低光量の中、魚は警戒が緩み、一度口を使えば連続ヒットにも期待できます。
この記事では、雨の日に使うルアー選びのコツや青物狙いの新常識を、一流アングラーのノウハウも交えて解説します。思い込みを捨て、最新情報を駆使して釣果アップを目指しましょう!
雨の日の釣りにおすすめのルアーと攻め方
雨の日には水面や水柱に変化が生じるので、状況に合ったルアーを選ぶのが鍵です。
雨粒で微妙に波立つ水面には、トップウォータープラグが有効ですし、流れが強い場所では重めのメタルジグやバイブレーションタイプが活躍します。ここでは代表的な3種のルアーと、その効果的な使い方を紹介します。
トップウォータープラグで水面を攻略
雨の日は小さなウオブリング(波動)が魚を誘います。ポッパーやペンシルベイトなどトップウォータープラグを投げ、人為的な波紋と音でアピールしましょう。特に風が弱い小雨時はポッパーで水面をチョップする効果が高く、魚の捕食スイッチを入れます。
雨滴でざわつく水面から現れるシルエットは、濁り水でもしっかり魚に認識されるポイントです。
使い方のコツは、強めのジャーク後にテンポよくポーズを入れること。魚は雨粒の音にも敏感なので、時折ロッドをちょんと跳ね上げて音を立てたり、スプラッシュでリアクションバイトを誘うのが有効です。朝夕の薄暗い時間帯には、バブル音の大きなポッパーよりも静かなペンシルベイトも効果的に機能する場合があります。
メタルジグ・ミノーで広範囲を探る
雨の日は魚が活性化しますが、ポイントにたどり着くまでに潮流が強くなる場合があります。
そこで重量のあるメタルジグやシンキングミノーで狙うと、早巻きでもしっかりレンジキープでき、広範囲を効率よくサーチできます。特に青物相手なら40~60g以上のジグを用い、リフト&フォールや一定速度のリトリーブでアピールしましょう。
ミノーを使う際は、ただ引くだけでなく不規則に速度を変えたりロッドをあおってスライドさせることで魚の興味をそそりやすくなります。濁りが強い場合は幅広で派手なフラッシング効果のあるミノーを選び、曇天時や雨量が多いときは派手な魚をイミテートしているカラーがおすすめです。
ワーム・シャッド系でナチュラルに誘う
ワームやシャッドテールなどのソフトルアーは、目立ちすぎない自然な波動で魚に食わせの間を与えます。特に河川に濁りが入る状況では底層近くにエビや小魚が集まりやすく、ソルトウォーターでも落ちパクを誘いやすいです。キャロライナリグやジグヘッドリグを使い、遅めのリトリーブとストップ&ゴーのアクションで魚にリアクションを起こさせましょう。
また、ワームならバイトルアー(グラブやカーリーテール)を選ぶと水押しが強く、水流の中でも存在感があります。色はマッド系のチャートやグリーンゴールドといった濁り対応カラーが定番で、波動を強調するために大きめサイズを投入するのも効果的です。
雨による水中環境の変化と魚の反応
雨が降ると水中は多くの変化を受けます。雨水が川から海へ流れ込むと水位が上がり、土砂やプランクトンが巻き上げられて濁りが発生します。一方で雨水には酸素が多く含まれ、潮汐的な流れが強まってベイトが入りやすくなるので、魚の捕食活動が活発化します。つまり、雨の日は魚の活性が上がりやすいといえます。
明らかに水温が下がる場合は魚の活性が逆に下がりますが、日本近海では夏の夕立などで水温変動が少ないことが多く、むしろ魚が一帯に撒かれた餌に群がる好機となります。
特に河川や港湾部では流れ込み付近が“餌場”となるため、岸際やヨレ周辺を丁寧にチェックすると良いでしょう。
増水と濁りがもたらす影響
増水で川の流れが海に押し寄せると、河口付近は茶色く濁ります。ここでは視界が悪いため、魚は嗅覚や側線でルアーを探します。そのため、重めのジグでボトム周りを狙ったり、ラトル入りルアーで音を出して誘うのが有効です。一方、沖側や外洋に面した防波堤では濁りの影響が少なく青物が回遊してくるので、メタルジグでスピーディに広範囲を探ると大物に当たりやすくなります。
なお、大雨直後は川水の濁りが強すぎて釣りに不向きな状態になることもあります。
「カフェオレ色」になるような超濁流では魚の視認性がゼロになり、警戒する魚も多いので注意が必要です。少し時間を置いて濁りが落ち着くか、外洋側の潮通しの良い場所に移動する判断が釣果の差を生みます。
酸素量と水温の変化
雨水には通常より酸素が豊富に含まれているため、一時的に酸素量が増加します。
これにより魚は活発に動き回れるため、捕食が活発になりやすいです。同時に屋外が曇ることで水温が下がる場合もありますが、南方系の青物(ブリ・ヒラマサなど)は比較的温暖な海水を好むものの、多少の水温低下でも反応率には大きな変化はありません。
むしろ夏の夕立後など、急激に温度が下がる瞬間がチャンスになります。
日中に降り始めた雨はマズメ帯と重なることが多いため、もともと活性が上がりやすい時間帯との相乗効果が期待できます。気温・水温計をチェックしながら、雨が止んだ後もしばらく釣りを続けると、再びベイトが活発に動き出し大型魚のバイトチャンスを生みます。
餌生物の動きと魚の捕食行動
雨が降ると土砂と一緒にミミズや昆虫などが流れ込みます。これらは青物だけでなくシーバスやヒラメなど幅広い魚種のエサとなり、水中に漂う有機物が魚を寄せ集めます。
特にシャローに近い河口部や防波堤周りでは、雨音とともに表層近くの生物を目指して魚が浮いてくることが多いです。
このため雨の日はトップウォーターやレンジが浅めのミノーへの反応が良いのですが、水面直下だけではなくボトム付近にも青物が集まっています。食い気のある魚には積極的にアクションを加え、魚が見失いにくいよう表層と深層を交互に狙っていくとヒット率が向上します。
雨の日に活躍するルアーの特徴
雨天時は視界が悪くなりやすいので、派手なアピールが鍵です。おすすめはチャート系やゴールド系など明るい色を基調としたルアーで、曇天の中でも目立つ発色があるもの。
さらにフラッシング効果のあるホロ系素材やスパーク素材を使ったルアーだと、水中できらめきが強調され魚の注意を引きやすくなります。
カラーチョイス:視認性重視の派手系
雨の日は曇天と同様、光量が極端に落ちることがあります。シルバー単色よりはオレンジ・チャート・ピンクなど明るい色にメタリックを組み合わせたカラーが効果的です。
また、雨粒ひとつひとつでルアーが濡れても色褪せしにくいマット仕上げもおすすめ。
ど派手なカラーを選ぶことで魚に“存在感”を認識させ、活性時の見切りを防ぎます。
例えば大雨で水が茶濁しているときは、金・赤金といった強いフラッシングカラーを選びます。
逆に小雨や軽い時雨程度で少し明るさがあるときは、イワシやアジを模したシルバーにチャートなど差し色を入れたものが◎。天候や濁りによって色を使い分けると、飽和したベイトの中でもターゲットがルアーを見つけやすくなります。
フラッシングと発光:雨天でのアピール力
雨が降り注ぐ水中では光が乱反射しやすくなるため、ルアーに内蔵されたホログラムやラメは絶好のスイッチとなります。特にトップウォーターでは背面にホロやグロー(夜光塗料)を施したルアーが効果的。水面波紋に反射してちらちらと光る様子は、雨で暗くなった状況下でも魚の視線を奪います。
また、ミノーやジグで重要なのは反射だけでなく音。ラトル入りのミノーやブレード付きジグは、波動と音で魚にアピールします。雨と風音で人間には聞こえにくい小さな音も、水中の魚にはよく響くため、しっかり“音の出るタイプ”のルアーを選ぶと、視界が悪い中でも魚に存在を気付かせられます。
重量と沈下速度:強い流れに負けない
雨の日は河川からの流れ込みが強まり、海岸近くの潮流も速くなります。こうした状況では軽いルアーでは流されてしまい、狙ったレンジをキープできません。したがってメタルジグやジグヘッドといった重めのルアーを使って、リトリーブ時にきちんと抵抗を感じる程度のウェイトを選ぶのがポイントです。
特にショアジギングの場合、タングステンや重めの時間で素早く沈められるジグを使うと、ルアーの着水と同時に手元感度が伝わり操作性が増します。これは活性の高い青物を躊躇なくリアクションで食わせるための一手で、「重い=流れに負けない」というのが強く意識されるべき要素です。
天候条件 | おすすめルアーカラー | 理由 |
---|---|---|
大雨・濁り強 | ゴールド系・赤金系 | 濁った水中で視認性が高く魚にアピールしやすいため |
小雨・薄濁 | チャート系・ホログラム入り | やや暗い環境でもきらめきで魚の目を引きやすいため |
曇天時 | ブルー系・シルバー系 | 自然なベイトの色合いで違和感が少ないため |
青物釣り:雨の日に効果的な攻め方
青物(ブリ・カンパチ・シイラなど大型魚を指す)狙いの場合、雨の日は外洋からのベイトの寄りが良くなるため、ポイント選定が肝心です。河口や湾奥は直後は避け、外洋に面した磯場や堤防から青物の回遊を狙いましょう。これらの場所は雨の影響が薄く、岸沿いに大きな魚群が寄りやすいと言われています。
そして大事なのはアクション。魚の活性が高まった雨の日はルアーに対するリアクションバイトが得やすく、速い動きや不規則なストップ&ゴーで思いがけない誘い出しができます。ここでは「速巻き」「強ジャーク」「ダート&スロー」など、通常より攻めの姿勢で釣りを展開することを意識してください。
ポイント選定:外洋や磯場にエリアを絞る
雨による河川からの淡水流入は河口周辺を動揺させますが、青物はしばしばそれを避けて潮通しの良い外側に集まります。港内のポイントではなく、広い海域に面した突堤や地磯が狙い目です。
風が出るなら風裏、波が高いなら岩陰など、安全を考慮しつつ回遊が通りやすいロングキャスト圏内を重点的に探りましょう。
雨後は水面が波立ちやすいので、ポイントに到着したらまずトップウォーター系のルアーを投げ、魚が表層にいないか確認するのが定石です。反応がなければすぐにレンジを落とし、次第に深場へ移行していきます。集中力を切らさず、点ではなく線でエリアを攻めるイメージが有効です。
アクション:速巻き・ジャークで反応引き出し
雨の日の青物釣りでは、ルアーを通常より速く巻くことがポイントです。魚の捕食スイッチが入りやすいため、スピードを上げて追わせて食わせる「速巻き」が効果的。また、リトリーブ中に強めのジャークやトゥイッチを入れてダートさせると、反射的なバイトを誘発できます。ときどきラインテンションを抜くスローな間を交ぜるのも忘れずに。
トップ系ルアーを使う際は大きめのポッパーやペンシルベイトでガツンと波を立て、時には沈めてから派手に引く「水面+表層二刀流」も有効です。雨後で水面がざわついているタイミングに合わせ、ロッドを立てて引き波を出す“首振りアクション”など、セオリー外の動きで青物にスイッチを入れるテクニックも試しましょう。
おすすめルアー:メタルジグ・トップウォーター
青物向けには信頼のメタルジグが必須です。遠投して着水即巻き始め、リアルなスライドアクションのジグを選べば、高速リトリーブでも安定して泳ぎます。最近はタングステン製でコンパクトな「TGベイト SLJシリーズ」などが好評で重量級ながら感度も良好です。
トップウォーターでは、大きく水を切るスプラッシュ系のジャークベイトやビッグポッパーが当たりルアーになります。例えば「マリア ルアー ムーチョ・ルチア」や「ダイワ TGベイト SLJ」などが雨天シチュエーションでは結果を出す実績ルアーとして人気です。目的に合わせて、深場はメタルジグ、表層はポッパーと使い分けることで雨の日でも青物を攻略できます。
まとめ
雨の日の釣りは、水中環境が大きく変わるため準備次第で大釣りが狙えます。魚の活性が上がりやすい雨降りの状況では、視認性の高い派手系ルアーや音・波動でアピールするタイプが効果的です。ポイントは水質と魚の絞り込み。河川の増水対策としては外洋や磯場を選び、魚に合ったレンジとアクションを工夫しましょう。
雨の日は危険回避も大切です。足元の安全確認や防水対策を怠らず、長靴やレインウェアで体温を保った上で挑戦してください。2025年最新のタックル技術と情報を生かして、この雨の日攻略をマスターすれば、周りと差がつく「青物爆釣」の可能性はさらに広がります。