カマスは夏の海で回遊する人気のターゲットですが、釣り方を工夫することで釣果が大きく変わる魚です。
本記事ではカマス釣りに最適なエサや仕掛けの選び方を解説します。
また、ロッドやリールなどのタックル選びや釣り方のコツなど最新の情報も交えながら、初心者から上級者まで役立つポイントをしっかり押さえます。
カマスの釣り方:基本と押さえるポイント
カマスはスズキ目カマス科の海水魚で、体長は30cm前後が一般的です。
細長い体型のため泳ぎが速く、小魚に飛びついて捕食する習性があります。口元の鋭い歯にも注意しましょう。
水温が上がる春から秋にかけて群れで沿岸に寄り、特に夕まづめ以降は活性が高くなるので狙い目です。
カマスとはどんな魚?
カマスはスズキ目カマス科に属する細長い海水魚で、代表的な種にヤマトカマスとアカカマスがあります。最大で50cmを超えるアカカマスに対し、ヤマトカマスは30~40cm程度が一般的です。肉食性で視覚狩りを得意とし、小魚を追って激しくアタックしてきます。
鋭い歯が並ぶ口には注意が必要で、釣った後は素早く取り扱わないと危険です。カマスは体表が光に反射してキラキラ輝き、群れで泳ぐ姿が特徴的です。
カマスが釣れるシーズンと場所
春から秋にかけて沿岸部に群れが接岸し、特に水温が上がる5月~10月が釣りやすい時期です。夕まずめから夜間にかけて餌を活発に追うため、この時間帯の釣りが狙い目です。ナイトゲームではライトやヘッドライトを使えば、カマスの反応が良くなります。
釣り場は潮通しの良い港や防波堤が定番で、小魚(イワシやアジなど)が集まるポイントを狙うと効率的です。護岸やテトラ周りでは小魚を追うカマスが多く、その近くに仕掛けを通すとバイトにつながりやすいです。
基本的な釣り方の流れ
カマス釣りは、まずポイントでカマスの群れやナブラの出現を待ち、狙いを定めてキャストします。エサ釣りでは仕掛けを適切な深さに沈め、ルアー釣りではゆっくり巻きながらリフト&フォールのようなアクションを加えます。
カマスがアタリを出してきたらすぐに大合わせせず、いったん吸い込ませるようにしてからしっかりとフッキングするのがコツです。
カマス釣りに必要なタックル
次に、カマス釣りで使用するタックル(釣り具)について解説します。カマスは素早い動きに耐えうる感度と柔軟性が必要です。ロッドやリール、ラインなどをカマス釣りに適したものを選びましょう。
カマス釣りに適したロッドとリール
ロッドは感度の良いライト〜ミディアムライトクラスのスピニングロッドがおすすめです。長さは7~8フィート(約2.1~2.4m)が扱いやすく、エサやルアーを遠投しやすいです。初めての方は7ft程度のロッドから始めても良いでしょう。
リールは小型〜中型のスピニングリール(2000~3000番程度)がベストです。ドラグ性能が良いものを選び、魚が突っ込んでも一定のプレッシャーをかけられるようにしましょう。
ラインとリーダーの選び方
道糸にはナイロンラインやPEラインを選びます。感度を重視するならPEライン(0.6~0.8号)を太さ1号程度で使用し、リーダー(ハリス)を組むのがおすすめです。ラインはあまり太すぎるとキャストしにくくなるので、魚のサイズに合った号数を選びましょう。
リーダーには視認性の低いフロロカーボンを使い、太さは2~4号(6~12lb)程度が目安です。カマスの歯でラインを傷められるのを防ぐため、大物を狙う場合はリーダーを長めに取るかワイヤーリーダーを短く繋げてもよいでしょう。
その他必要なアイテム
カマス釣りの必需品としては、針外しやハリス切れ時に使うフィンガーガード(プライヤー)や、予備の針・予備リーダー、ラインカッターなどの小物が挙げられます。また、偏光サングラスがあると水中の様子が見えやすく、魚の接近を早く察知できます。夜釣りではヘッドライトやポーチライトがあると作業がしやすいでしょう。
カマスは鋭い歯を持つため、針外し時や浮かせる際に手を傷つけないよう、ロングノーズプライヤーやフィンガーガード付きの手袋を用意しておくと安心です。
カマス釣りにおすすめのエサ
カマス釣りのエサ釣りでは、小さな小魚の切り身や丸ごとしたエサが効果的です。カマスは視覚で餌を捕らえる魚なので、光って目立つ餌がよく食いつきます。また、エサ釣りは初心者でも扱いやすく、カマスを釣る手軽な方法として重宝されます。
生エサの種類と選び方
おすすめの生エサは、群れをつつく小魚類の切り身です。具体的にはキビナゴやイワシ、サンマなどを使います。特にキビナゴは体長6~7cm程度でカマスの口に合うサイズであり、水中でキラキラ光るため非常に有効です。
エサを針に刺す場合は、一方の端から串刺しにして自然な泳ぎを演出しましょう。エサは新鮮なものが断然効果的なので、使う分だけ切り出して保管するのがおすすめです。
エサの付け方と交換タイミング
エサは使用する直前に新しいものを付けると釣果が上がります。キビナゴなどの場合、鼻先から尾に向かって針を通し、小刻みに泳ぐようにセットします。エサが外れたり傷んだりしたらすぐに付け替えましょう。釣り続けるうちにエサの香りが弱くなるため、交換頻度を多めに取るのが基本です。
また、付けている間にエサが小さくなったときや食いが悪いと感じたときは、新鮮なものに交換すると魚の反応が回復します。
エサ釣りのメリット
- 本物の餌を使うためカマスを強く誘いやすい
- 仕掛けがシンプルで初心者でも釣果を得やすい
- 時間をかけて数を狙いやすく、安定した釣果を得やすい
カマス釣りにおすすめのルアー
ルアー釣りでは、光に反射するメタルジグやプラグ、小型のワームを使って小魚を演出します。カマスは泳ぎの速い小魚を追いかける習性があるため、3〜5cm程度の小型ルアーが効果的です。リールを巻きながら時折リフト&フォールを織りまぜてアクションを加え、リアルな動きを演出しましょう。
小魚系ルアーの特徴
カマスの好むルアーは小魚のシルエットのものです。スピンテールジグやミノー、シャッド、シンキングペンシルなどが代表的で、これらはまばたきするようにキラキラ光りながら水中を泳ぎ、カマスを引き寄せます。動かし方は、ただ巻きやタダ引きのほか、軽いジャークを加えたりフォールで誘ったりと変化をつけると効果的です。
メタルジグやワームの使い方
メタルジグは15〜20g程度のものをキャストし、着底させた後にテンポよくリフト&フォールを繰り返します。メタルジグは遠投して広範囲を探れるため、沖のポイントも手早く探れるのが強みです。小型ワームをジグヘッドにセットした場合はスローに巻き、フォール中に軽くトゥイッチを入れて泳がせる誘いが大切です。カマスはゆっくり揺れる小魚にも反応しやすいです。
ルアーのサイズとカラー選び
ルアーは基本的に小型が有効で、3〜5cm程度を中心に用意しましょう。カラーはシルバーやチャート(黄色系)など、光を強く反射するものがおすすめです。夜釣りや水質が濁っている時は、グロー系やネオン系の蛍光カラーが効くこともあります。また、飛距離を重視したい場合は、薄型でよく飛ぶ形状のルアーを選ぶと有利です。
| 釣り方 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| エサ釣り | 本物の餌の匂いや動きで集魚でき、 初心者でも釣果を得やすい |
餌の準備・管理が手間で、 1回に釣れる数にも限りがある |
| ルアー釣り | 小魚を演出して広範囲を探れるため、 テクニック次第で釣果が伸ばせる |
操作やルアー選びなど技術が必要で、 うまく使えないと釣れにくい |
カマス釣り用の仕掛けと釣り方
ここではカマス釣りで使える代表的な仕掛けと釣り方を紹介します。サビキ釣りやショアジギングなど、カマスの習性に合わせて様々な方法があります。状況に応じて使い分けることで釣果を伸ばしましょう。
サビキ仕掛けで狙うカマス釣り
カマス用のサビキ仕掛けを使うことがあります。通常のサビキ同様、5~7本の小さな針にキラキラした擬似餌がついており、エサは不要です。そのままキャストしてゆっくり巻くだけで釣れてしまう手軽さが特徴です。活性が低いときは軽くシャクってリアクションを加えると効果的です。サビキ釣り用のロッドはシーバスロッドや投げ竿、磯竿などが代用でき、リールは2000~3000番の小~中型、ラインはナイロン3号前後を目安にするとよいです。
メタルジグやテンヤの仕掛け
ショアジギング用のメタルジグやテンヤ釣りもカマスに有効です。メタルジグは15〜30g程度をキャストし、表層から中層までリフト&フォールで探ります。メタルジグは広範囲を効率よく探れるのが利点です。テンヤ釣りの場合は、魚の切り身を餌に使って軽いテンヤ仕掛けで底付近を攻めます。潮に仕掛けを流して海底付近のレンジを重点的に狙うと良い結果が得られることがあります。
仕掛けの結び方と注意点
仕掛けの結び目は強度が命です。道糸とリーダーはFGノットや電車結びでしっかり結び、余分な糸はカットしてキャスト時の抵抗を減らします。針やスナップは錆びや曲がりがないか事前に点検してください。
また、カマスの鋭い歯でラインを切られないよう、ドラグは強めに設定し、取り込み時にはランディングネットを使うか丁寧に引き寄せて対応しましょう。
カマス釣りのテクニック・コツ
ここまで説明したタックルやエサ・ルアーに加え、釣り方のテクニックも釣果を左右します。カマスは泳層(レンジ)に敏感な魚なので、狙うレンジを意識して仕掛けを動かすことが大切です。以下では誘い方やフッキング、ファイトのポイントを解説します。
誘い方(アクション)の重要性
ルアーやエサには必ずアクションを加えて誘いましょう。リフト&フォールだけでなく、ただ巻きやトゥイッチ、小刻みなジャークなど、色々な動きを試します。活性が高い時は速めのアクション、渋い時はスローリトリーブがおすすめです。ワームやジグヘッドを使う場合、フォール中に軽くシェイクを入れると捕食本能を刺激できます。
合わせとファイトのコツ
カマスのアタリは小さく「コッ」という程度のこともあるので、アタリを感じたら軽く聞き合わせで様子を見てから合わせます。強く合わせず、じわっと竿を立てるようにするとバラシが減ります。引きが強い魚なので、ドラグを効かせて無理に浮かせず、魚が弱ったタイミングで慎重に抜き上げましょう。
トラブルを防ぐ注意点
釣り場では足元に気を付け、夜釣りの場合は足場を明るく確保しましょう。また、カマスが掛かった瞬間は急に走ることがあるので、ラインが手や体に絡まないよう注意します。釣り上げた後も大きな暴れで怪我をしないように固定してから針を外します。プライヤーなどを使い、カマスの歯による怪我やライン切れを防いでください。
まとめ
カマス釣りでは、時期や場所を見極めると同時に、適切なタックルと仕掛け選びが重要です。エサ釣りとルアー釣りにはそれぞれメリットがあり、状況に応じて使い分けるのが効果的です。エサ釣りは初心者でも釣りやすく安定した釣果が得られ、ルアー釣りは広範囲を探って数を狙えます。
また、ラインの結び方やバレ対策など基本操作にも気を配りましょう。この記事で解説したエサと仕掛けのポイントを参考に、釣り方を工夫してカマス釣りをさらに楽しんでください。


