堤防の際をキラリと走るサヨリは、細身で繊細ながら、数釣りも狙える人気ターゲットです。市販仕掛けでも十分釣れますが、自分の釣り場や状況に合わせて仕掛けを自作できると、釣果と楽しさが一段と高まります。
この記事では、サヨリ釣りの基本から、初心者でも迷わず作れるウキ仕掛けの作り方、応用テクニックまでを専門的かつ分かりやすく解説します。自作仕掛けでサヨリの数釣りを満喫したい方は、ぜひじっくり読み進めてください。
サヨリ 釣り 仕掛け 作り方の全体像と基本知識
まずは、サヨリ釣りの仕掛け作り全体像を整理しておきます。サヨリは表層から中層を回遊する小型の回遊魚で、口が小さく、吸い込むように餌を取るのが特徴です。このため、仕掛けは軽くて違和感を与えないこと、そしてアタリを明確に目視できることが重要になります。一般的には、遠投カゴ釣りやサビキとは異なり、細仕掛けのウキ釣りスタイルが主流です。
サヨリ釣り仕掛けの作り方を理解するには、ウキ、ハリス、ハリ、オモリ、カゴやコマセといった各パーツの役割を押さえ、それらをどう組み合わせるかを順を追って理解することが近道です。ここでは、これから解説するハリス仕掛けやウキ仕掛けの基礎を踏まえ、必要となる道具やラインの太さ、ターゲットとなるサイズに応じたバランスなど、全体のイメージを掴んでいきます。
サヨリの習性と狙うタナを理解する
サヨリは水面近くを群れで回遊し、潮目や常夜灯周りなど、ベイトが溜まりやすい場所に付きやすい魚です。日中は表層から中層を、朝夕マヅメやナイトゲームではさらに水面直下を意識して泳ぐ傾向があります。この習性を理解しておくことで、仕掛けを調整する時に「どのタナに餌を置けば良いか」が明確になります。
また、サヨリは警戒心が強く、水色が澄んでいる時やプレッシャーが高い堤防では、太いラインや大きなウキを嫌うことがあります。逆に、濁りが入っている状況や風波がある時は、多少太めのラインや視認性が高いウキの方が扱いやすくなります。仕掛け作りでは、このような状況ごとの習性を踏まえ、ウキ下の長さやハリスの太さを柔軟に変えていくことが大切です。
サヨリ釣りに向いたタックルの基本構成
仕掛け以前に、タックルバランスを整えておくと、自作仕掛けの性能を引き出しやすくなります。一般的には、長さ3.6〜4.5メートル前後の磯竿や万能振り出し竿が扱いやすく、柔らかめの先調子から胴調子のロッドがサヨリの細かなアタリを拾いやすいです。リールは小型スピニングリールで、2000〜2500番クラスが軽量かつ十分な糸巻き量を確保できます。
道糸はナイロン1.5〜2号前後が標準的で、軽量仕掛けを扱う場合や飛距離を重視する場合は、PE0.4〜0.6号+ナイロンリーダーといった構成も有効です。タックルの強さをサヨリのサイズに合わせることで、細仕掛けでも安心してやり取りでき、仕掛けトラブルも減らせます。
市販仕掛けと自作仕掛けの違いと使い分け
市販仕掛けは、パッケージから出してすぐに使える手軽さが最大の強みです。各メーカーが釣れ筋のバランスで構成しているため、初めての釣り場や基準を知りたい場面では非常に重宝します。一方、自作仕掛けは、ウキの浮力や大きさ、ハリスの長さ、ハリのサイズなどを釣り場や状況に合わせて微調整できるのが大きな利点です。
例えば、混雑した堤防でサヨリがシビアな時には、より細ハリス・小バリ・小型ウキといった組み合わせに変えることで、アタリが増えるケースが多々あります。市販仕掛けをベースにしつつ、自作で徐々にカスタマイズしていくと、釣り場ごとの「勝ちパターン」を見つけやすくなります。
サヨリ釣りに使う代表的な仕掛けの種類と特徴
サヨリ釣りと一口に言っても、使われる仕掛けにはいくつかの種類があります。それぞれに得意なシチュエーションがあり、風の強さや釣り座、狙う距離、群れの密度によって最適な仕掛けは変わります。ここでは、代表的なウキ釣り仕掛けを中心に、その特徴とメリット、デメリットを整理し、どのような場面で選ぶべきかを解説します。
複数の仕掛けの特徴を知っておくと、当日の状況に応じて切り替えができ、釣果の安定につながります。また、自作の際にはそれぞれの仕掛け要素を組み合わせることで、さらに自分好みにアレンジすることも可能です。まずは代表的な3パターンを押さえておくと良いでしょう。
定番の遠投ウキ釣り仕掛け
堤防の先端や沖目の潮目を狙う場合には、遠投ウキ釣り仕掛けが定番です。比較的大きめの棒ウキや円錐ウキを使用し、下部にはカゴやオモリを配することで、安定した飛距離と仕掛けの安定性を確保します。タナを一定に保ちやすく、仕掛けの姿勢が安定するため、風がある日でも比較的釣りやすいのが利点です。
一方で、仕掛け自体がやや重くなるため、極めて繊細なアタリを取るには工夫が必要です。サヨリが活発に群れている状況や、遠くのナブラを広く探りたい時に向いた仕掛けと言えます。自作の際は、ウキの浮力とカゴ・オモリの重量をしっかりマッチさせることが重要になります。
軽量シンプルな表層ウキ仕掛け
足元から近距離の表層を効率よく攻めたい場合は、小型の棒ウキや自立ウキを使った軽量仕掛けが有効です。道糸からウキ止め、シモリ玉、小型ウキ、オモリ、サルカン、ハリス、ハリという非常にシンプルな構成で、仕掛け全体の重量が軽いため、サヨリに違和感を与えにくいのが特徴です。
このタイプの仕掛けは、サヨリの群れが足元近くまで寄っている時や、澄み潮でシビアな状況に特に強さを発揮します。飛距離はそれほど出ませんが、視認性の良い小型ウキを使えば、細かなアタリも拾いやすく、初心者でもアタリと掛けるタイミングを学びやすい仕掛けです。
連結ハリス仕掛けや多点針仕掛け
一度に複数匹を狙いたい場合や、群れが非常に濃いタイミングでは、連結ハリス仕掛けや多点針仕掛けが使われることがあります。幹糸に対して短い枝ハリスを複数本結び、上下方向に2〜3本程度のハリを配置する構成が一般的です。
このような仕掛けは、群れのレンジが多少前後してもどれかのハリが口元に入りやすいという利点がありますが、絡みやすさや手返しの難しさも伴います。自作する際は、枝ハリスを短めに取り、ハリ間の距離を十分に開けることで、トラブルを軽減しながら効率良く数釣りを狙えるように調整します。
仕掛けタイプ別の比較表
代表的な仕掛けの違いを分かりやすくするために、簡単な比較表を用意しました。
| 仕掛けタイプ | 得意な距離 | アタリの分かりやすさ | 扱いやすさ |
|---|---|---|---|
| 遠投ウキ仕掛け | 中〜遠距離 | 中 | 中級者向け |
| 軽量表層ウキ仕掛け | 足元〜近距離 | 高い | 初心者向け |
| 連結ハリス・多点仕掛け | 近〜中距離 | 中 | 慣れが必要 |
サヨリ釣り仕掛け自作に必要な道具とライン選び
自作仕掛けをスムーズに作るためには、必要な道具とラインの選び方を事前に整理しておくことが重要です。最低限必要なものとして、ラインをカットするためのハサミ、ハリスを結ぶためのプライヤーやピンセット類、ウキ止めゴムやシモリ玉、スナップ付きサルカンなどが挙げられます。これらが揃っていれば、現場での微調整やトラブル対応もスムーズに行えます。
また、サヨリは口切れしやすく、細いラインで違和感なく食わせることが釣果アップにつながるため、道糸とハリスの号数選びは特に重要です。ここでは、一般的な号数の目安と、状況に応じた使い分け方を解説していきます。
道糸とハリスの号数の基本
サヨリ釣りの道糸には、伸びと扱いやすさのバランスが良いナイロンラインがよく用いられます。標準的には1.5〜2号程度が扱いやすく、初心者でライントラブルを避けたい場合は2号前後が安心です。風が強くラインが煽られやすい状況では、若干太めのラインを選んだ方がコントロールしやすい場面もあります。
ハリスについては、サヨリの口の小ささと警戒心を考慮し、0.6〜1号程度のフロロカーボンを使うのが一般的です。食いが渋い時や澄み潮時には0.6号、活性が高く手返し重視の時には0.8〜1号といった使い分けが有効です。これにより、アタリの数とバラシの少なさのバランスを最適化できます。
ウキ・オモリ・サルカンなど小物の選び方
ウキの選定では、狙う距離と波風の強さを基準にします。足元中心であれば、0.5〜1号程度の小型棒ウキや自立ウキが視認性と感度の両立に優れています。遠投を必要とする場合や波が高い日は、1.5〜3号程度の浮力のあるウキを選ぶと仕掛けが安定します。
オモリは、ウキの浮力に合わせた号数を選び、ウキとオモリがほぼ中立浮力になるよう調整します。サルカンは小型で強度のあるものを選び、ハリスとの結束部でラインヨレが起きにくい回転性能を重視するとトラブル減少に役立ちます。これら小物を適切に組み合わせることで、仕掛け全体の完成度が一気に高まります。
ハリのサイズと形状の選び方
サヨリ釣りでは、サヨリ専用バリや小型の袖バリがよく使われます。サイズは主に3〜5号程度が基準となり、釣れるサヨリの平均サイズに合わせて調整します。小型主体なら3〜4号、良型が多いポイントでは4〜5号といった選び方が目安です。
形状としては、軸がやや長めで細軸のものを選ぶと、餌付けがしやすく、口の小さいサヨリにも吸い込みやすくなります。細軸は刺さりが良い反面、無理なやり取りでは伸びやすくなるため、ドラグ調整やロッドワークも含めてトータルバランスを意識しましょう。
初心者向け:基本のサヨリウキ釣り仕掛けの作り方
ここからは、初心者でも迷わず組める基本のサヨリウキ釣り仕掛けの作り方を解説します。対象は足元から近距離を狙う軽量ウキ仕掛けで、最初の一式として最も扱いやすい構成です。シンプルながら、工夫次第で幅広い状況に対応でき、後からのカスタマイズもしやすいのが特徴です。
仕掛け作りは順序さえ守れば難しくありません。道糸側から順番にパーツを通し、結束を確実に行い、長さを調整していく流れを覚えましょう。一度覚えてしまえば、現場でのトラブル時にも自分で組み直せるようになり、釣りの自由度と安心感が大きく向上します。
基本仕掛けの構成図とパーツ解説
今回紹介する基本のウキ仕掛けは、上から順に「道糸 → ウキ止めゴム → シモリ玉 → 小型棒ウキ → ゴム管付きオモリ → スナップ付きサルカン → ハリス → ハリ」という構成です。ウキ止めゴムで狙うタナの深さを調整し、シモリ玉でウキのストッパーとします。
ゴム管付きオモリはウキの浮力とバランスを取るためのもので、ウキの号数とほぼ同じ号数を合わせるのが基本です。スナップ付きサルカンは、ハリスの交換を容易にし、ラインヨレを防ぐ役割も担います。この一連の流れを頭に入れておくと、パーツが増えても迷いにくくなります。
道糸へのウキ止めとシモリ玉のセット方法
まず道糸にウキ止めゴムを通します。市販のウキ止めはループになっているものが多く、ループに道糸を通し、そのままウキ止めゴムを引き抜くだけで簡単にセットできます。ウキ止めは二つ付けしておくと、ズレにくく微調整もしやすくなります。
次にシモリ玉を一つ通し、その下にウキを装着します。シモリ玉はウキがウキ止めで止まる際の緩衝材となり、道糸の傷みを防ぎます。この段階で狙いたいタナの目安(水面下30センチ〜1メートル程度)の位置にウキ止めを仮セットしておき、後から実釣しながら微調整していくとスムーズです。
ウキとオモリのバランス調整
ウキとオモリのバランスは、感度と視認性を左右する非常に重要なポイントです。基本的にはウキの号数と同じ号数のゴム管付きオモリを選び、ウキが水面から少し頭を出す程度に浮くよう調整します。例えば1号ウキなら、1号前後のオモリを組み合わせるのが出発点になります。
実際の海水では、塩分濃度や仕掛け全体の重さによって浮き方が変わるため、実釣前にバケツなどでおおよその状態を確認しておくと安心です。ウキが沈み気味ならオモリを軽く、逆にウキが立ちすぎているならオモリを少し重くするなど、微調整を行うことで、サヨリの繊細なアタリをより明確に捉えられるようになります。
ハリスとハリの結び方の基本
ハリスとハリの結束には、外掛け結びや内掛け結びなど定番の結び方がありますが、初心者は外掛け結びから覚えると良いでしょう。ハリのチモトにハリスを通し、軸に沿わせて数回巻き付け、元の輪に通して締め込む流れです。しっかりと濡らしてからゆっくり締め込むと、ラインへのダメージを抑えられます。
ハリスの長さはサヨリ釣りでは一般的に30〜50センチ程度が扱いやすい範囲です。食いが渋い時にはやや長め、活性が高く手返しを重視したい時には短めといった調整も有効です。結んだ後は必ず強く引っ張って確認し、滑りや傷がないかをチェックしてから仕掛けに組み込むようにしましょう。
ステップ別解説:自作サヨリウキ仕掛けの具体的な作り方
ここでは、前章で紹介した基本構成をもとに、実際に仕掛けを組み上げる手順をステップごとに詳しく解説します。手順を追いながら作業することで、自作の流れが自然と身に付き、今後の応用にもつながります。いきなり完璧を目指す必要はなく、まずはひと通り組めることを目標にしてみてください。
仕掛け作りのコツは、焦らず丁寧に、結び目の確認を怠らないことです。特にラインの傷や結束不良は、せっかく掛けたサヨリのバラシや高切れにつながるため、チェックを習慣化しておくと安心です。
ステップ1:道糸側の準備
最初にリールに巻かれている道糸側の準備を行います。穂先ガイドからラインを通し、竿先から1メートルほど余裕を持たせた位置で作業を始めると扱いやすくなります。道糸の先端がほつれている場合は、数センチほどカットしてから作業すると結び目が安定します。
この段階ではまだハサミやパーツを散らかさず、必要なパーツだけを手元に揃えておくと、途中で混乱しにくくなります。屋外で作業する際は、風で小物が飛ばされないよう、ケースやトレイの上で組み立てると効率的です。
ステップ2:ウキ止めとウキ周りのセット
道糸へのウキ止めゴムの取り付けから始めます。市販のウキ止めループに道糸を通し、ウキ止めゴムをスライドさせて道糸に移します。ウキ止めは二つ連続して付け、その下にシモリ玉を1個通します。続いて、小型棒ウキを道糸に通し、ウキの下側のリングを通過させます。
この状態で、一旦仮のタナとして、ウキ止めを道糸先端から50センチ〜1メートル程度の位置に移動しておきます。実釣時には、サヨリの浮き具合に応じてウキ止めを上下させ、タナを調整しますが、最初は浅めからスタートし、アタリを見ながら変えていくのが効率的です。
ステップ3:オモリとサルカンの取り付け
ウキを通したら、その下にゴム管付きオモリを装着します。道糸をオモリの穴に通し、軽く位置を固定します。オモリの号数はウキの浮力と合わせるのが基本ですが、微妙なバランスは後から水中で調整できます。
オモリの下端には、スナップ付きサルカンを結びます。結び方はクリンチノットやユニノットなど、強度と信頼性のあるものを使いましょう。結び終わったら、余分なラインを2〜3ミリ残してカットし、強く引いてほどけないことを確認します。サルカンを使うことで、ハリスの交換が容易になり、仕掛けの汎用性も高まります。
ステップ4:ハリスとハリを結んで完成
次に、ハリスとハリを結びます。ハリス0.6〜0.8号を40センチ程度にカットし、一端にハリを外掛け結びで結束します。結び目をしっかり締めたら、余分な先端をカットし、指でなぞってザラつきや緩みがないか確認します。
ハリスの反対側は、サルカンのスナップに取り付けられるよう、ループを作るか、そのままスナップに挟む形にします。現場で交換しやすくするためには、あらかじめ数本分のハリス付きハリを作り、ハリス巻きにストックしておくと便利です。最後に、仕掛け全体を軽く張った状態で、ウキの立ち方やタナの位置を確認すれば、基本の自作サヨリ仕掛けの完成です。
状況別のサヨリ仕掛けカスタマイズテクニック
基本仕掛けが組めるようになったら、次は釣り場の状況に応じたカスタマイズに挑戦してみましょう。同じポイントでも、時間帯や天候、潮の動きによってサヨリの活性やレンジは変化します。その変化に対して、ウキのサイズ変更やハリスの号数、タナ調整などを柔軟に行うことで、釣果に大きな差が出てきます。
ここでは、典型的なパターンごとに仕掛けの調整ポイントを解説しながら、実戦的なテクニックを紹介していきます。
風が強い日や波が高い時の対処法
風が強い日や波が立っている状況では、軽量仕掛けだとウキが流されやすく、アタリも分かりにくくなります。このような場合は、ウキを一回り大きな号数に変更し、それに合わせてオモリも重くして仕掛け全体を安定させます。また、道糸をやや太めにすることで、風の影響を受けにくくする工夫も有効です。
それでも仕掛けが煽られる場合は、ウキ下を少し深く設定し、サヨリが中層寄りにいると仮定して探ってみるのも一つの手です。風裏になる釣り座に移動できる場合は、ポイントを変えることで仕掛けの安定性が大きく改善することも多いので、仕掛けと釣り座の両面から対処していきましょう。
魚の活性が低い時の細仕掛け化
周囲でサヨリの回遊が見えるのに、アタリが少ない、あるいは触るだけで掛からないといった状況では、仕掛け全体を細く小さくする「細仕掛け化」が効果的です。具体的には、ハリスを0.4〜0.6号まで落とし、ハリをワンサイズ小さくし、ウキも小型で細身のものに変更します。
また、オモリを軽くすることで、餌がより自然に漂いやすくなり、違和感を抑えられます。このようなセッティングはラインブレイクのリスクも増えるため、ドラグ設定を緩めにし、掛けてからはロッドの弾力を使って丁寧にやり取りすることが重要です。
数釣りを狙うための多点バリ応用
サヨリの群れが濃く、表層で頻繁にライズしている状況では、多点バリ仕掛けに切り替えることで効率よく数を伸ばせる場合があります。幹糸1〜1.5号に対して、20〜30センチ間隔で短い枝ハリスを2〜3本結び、各ハリに餌を付けて広いレンジを同時に攻める構成です。
ただし、多点バリはライントラブルや魚の取り込み時の絡みが増えやすいため、枝ハリスを短くする、幹糸をやや太めにするなどの工夫が必要です。最初は2本バリから試し、慣れてきたら3本バリに増やすなど、段階的にステップアップしていくと安全に運用できます。
サヨリ釣りで使うエサとコマセ、付け方のコツ
仕掛けがどれだけよく出来ていても、エサとコマセの選び方や付け方が適切でなければ、本来の性能を発揮できません。サヨリは視覚に頼る傾向が強く、餌のサイズや色、動きに敏感に反応します。ここでは、定番のエサとコマセ、そして実際の付け方のポイントを整理し、仕掛けと一体となった戦略的なエサ使いを解説します。
釣り場によって推奨されるエサが異なることも多いため、現場の情報と合わせて柔軟に選択していくことが重要です。
代表的なエサの種類と特徴
サヨリ釣りに用いられる代表的なエサには、オキアミ、小エビ、イカの細切り、魚肉系練り餌などがあります。オキアミは汎用性が高く、多くの釣り場で実績がある定番エサです。サイズはS〜Mクラスが扱いやすく、小さくカットして使用することもあります。
小エビは身がしっかりしており、エサ持ちが良いのが利点です。イカの細切りは、餌持ちに優れる一方で、やや食い込みが遅い場合もあるため、アタリに対して早合わせを避ける必要があります。いずれのエサも、サヨリのサイズや活性に合わせて、できるだけ小さく細く整えることが重要です。
コマセの役割と撒き方の基本
コマセは、サヨリの群れを足元や仕掛けの周囲に集め続けるための重要な要素です。一般的には、オキアミブロックをベースにしたサヨリ用配合エサを混ぜ合わせ、比重と拡散性を調整して使用します。比重が軽めでふんわり広がるタイプは表層から中層を回遊するサヨリに適しており、群れを自分の釣り座周りに留めやすくなります。
撒き方としては、一度に大量に撒くのではなく、小まめに少量ずつ投入し続けるのがポイントです。仕掛けの投入位置とコマセの落ちるラインをできるだけ一致させることで、エサとコマセが同調し、サヨリの口元に自然に餌を運びやすくなります。
バラしを減らすエサの付け方
サヨリは餌をくわえてから吐き出すまでが速く、エサの付け方が悪いとフッキング率が大きく低下します。オキアミを使う場合は、頭部をカットして柔らかい部分を残し、ハリ先をしっかり露出させつつ、身がまっすぐになるよう刺すことが重要です。ハリ先が完全に埋もれてしまうと、アタリはあっても掛かりにくくなります。
イカや小エビを使う場合も同様に、できるだけ細身に整え、ハリの軸に沿うように刺していきます。エサの長さがハリの長さを大きく超えると、サヨリが餌の先端だけをついばんでしまい、空振りが増える原因となるため、ハリと餌のバランスを意識して調整しましょう。
サヨリ仕掛け自作でよくある失敗とトラブル対処
自作仕掛けに慣れていないうちは、ライントラブルやバラシなど、さまざまな問題が起きがちです。しかし、多くのトラブルは原因を知り、事前に対策を取ることで大幅に減らすことができます。ここでは、サヨリ釣り特有の失敗例やトラブル事例を取り上げ、その対処法と予防策を具体的に解説します。
トラブルを一つずつ解消していく過程自体が、自作仕掛け上達への近道でもあります。
ライントラブルと絡みを防ぐポイント
もっとも多いトラブルの一つが、キャスト時や回収時のライントラブルです。原因としては、ハリスが長すぎる、枝ハリスが多すぎる、サルカンの回転性能が不足している、キャスト時に仕掛けが十分に伸びていないなどが挙げられます。
対処法としては、まずハリスを40センチ前後に抑え、風が強い日は短めに設定することが基本です。また、キャスト前に仕掛け全体を海面に軽く投げ出し、ラインのヨレを取ってからフルキャストすることで、絡みを大幅に軽減できます。サルカンは小さくても質の良いものを選び、定期的に交換することも重要です。
合わせのタイミングとバラシ対策
サヨリのアタリは小刻みにウキが震えたり、横走りしたりと独特です。アタリのたびに即合わせしてしまうと、餌をくわえた直後にハリが口元から外れやすく、バラシや空振りが増えてしまいます。基本的には、ウキがスーッと沈み込む、あるいは明確に横走りしてから、一呼吸置いて軽く竿を立てるイメージで合わせると、フッキング率が向上します。
また、ドラグをやや緩めに設定し、掛かった後はロッドのしなりを活かして一定のテンションを保ちつつ巻き取ることが重要です。強引なポンピングは口切れの原因となるため、特に細仕掛け使用時は丁寧なやり取りを心掛けましょう。
仕掛けが沈みすぎる・浮きすぎる場合の修正
ウキ仕掛けでよくある問題が、ウキが沈みすぎる、あるいは浮きすぎてアタリが分かりにくいという状態です。沈みすぎる場合は、オモリが重すぎる、エサやハリスが水を含んで重くなっているなどが考えられます。この場合、オモリを一段軽い号数に変えるか、ガン玉を一つ外してバランスを調整します。
逆に浮きすぎている場合は、ウキの号数よりオモリが軽すぎる可能性があります。オモリを少し重くすることで、ウキが水面に対して適切な姿勢を取り、アタリが明瞭になります。いずれの場合も、現場で数投試しながら微調整を行い、自分の視認性と感度のバランスが取れた設定を見つけることが大切です。
まとめ
サヨリ釣りは、一見繊細で難しそうに見えますが、仕掛けの基本構造と魚の習性を理解すれば、自作仕掛けで安定した数釣りを楽しめるターゲットです。道糸、ウキ、オモリ、サルカン、ハリス、ハリというシンプルなパーツ構成を正しく組み立てることで、足元から近距離、さらには遠投まで幅広いレンジを攻略できます。
自作の醍醐味は、釣り場の状況やサヨリの活性に合わせて、ウキのサイズやハリスの太さ、ハリの号数を自由に調整できる点にあります。最初は基本のウキ仕掛けから始め、慣れてきたら細仕掛け化や多点バリなどの応用にも挑戦してみてください。
自分で作った仕掛けでサヨリのアタリを捉え、連続ヒットに持ち込めた時の達成感は格別です。今回紹介した手順とカスタマイズの考え方を参考に、自作ウキ仕掛けでサヨリ釣りの奥深さを存分に味わっていただければ幸いです。


