網走沖で楽しめるアキアジ船釣りは秋の風物詩です。初心者も安心して釣りが楽しめるため、大物との出会いと豊富なイクラの味わいを手軽に楽しむ醍醐味があります。
本記事では2025年最新情報をもとに、網走アキアジ船釣りのシーズン、仕掛け、釣り方、注意点などを詳しく紹介します。
網走でのアキアジ船釣りの基礎知識
網走沖で釣れるアキアジ(秋鮭)は、北海道を代表するターゲットです。秋鮭とは産卵のために海から川へ帰るサケ科の魚で、北海道では晩夏~秋に沿岸で釣りができます。網走の船釣りで狙える秋鮭は体長70cm前後、体重3~5kg級が中心で、そのパワフルな引きと脂ののった身質が魅力です。船釣りでは船長が魚群を探してくれるので、初心者でも大物を狙いやすいのが特徴です。
アキアジとはどんな魚?
「アキアジ」とは秋に産卵のため沿岸へ近づくサケ科の魚(秋鮭)の総称です。北海道では特に体長70~80cm、体重3~5kgにもなる大型が多いのが特徴。オスは身が締まり脂がのり、メスはイクラ(筋子)がたっぷり入っており、釣り人にとっては豪快な引きと食べておいしい身質が大きな魅力です。
網走で秋鮭船釣りが盛んな理由
網走沖から斜里沖にかけては、豊富なプランクトンと流氷由来の冷たい海水が混じり合う好漁場です。毎年秋になるとアキアジの大群がこの海域へ押し寄せ、大迫力の釣りが楽しめます。
また近年は遊漁船のライセンス制が導入され、桟橋や漁場でマナーを守りながら安心して釣りが楽しめる環境が整えられました。こうした環境の整備もあり、釣り人が年々増えて人気が高まっています。
船釣りならではの魅力ポイント
船釣りならではの魅力は、広い海域を効率よく探れる点と大物との駆け引きです。岸からの釣りでは届かない沖合のポイントへ船で向かうため、群れに当たれば船中で連続ヒットも期待できます。また経験豊富な船長が釣り方をサポートしてくれるので、初心者でも安心です。
アキアジを釣り上げたあとの重厚な引きと、脂ののった味覚を味わえるのが、船釣りならではの醍醐味です。
網走のアキアジ船釣りシーズンとベストポイント
秋鮭釣りのシーズンと時期
網走のアキアジ船釣りは例年9月1日から30日までの1カ月間限定です。この期間は海水温や餌の条件が秋鮭の接岸に適し、アキアジの群れが網走沖へやって来ます。例年9月中旬~下旬がピークシーズンで、大型が連日ヒットするチャンスが高まります。ただし、年度や気象条件により魚の回遊状況は変動するため、複数日プランを設けておくのが安心です。
潮回り・天気と釣果の関係
潮流や天候によって釣果が左右されます。オホーツク海の秋は風が強く波立ちやすいですが、適度な波がある日には水中が攪拌されて活性が上がることがあります。一方、ベタ凪の日も安定して釣りやすく、朝夕の気温差が生み出す海面変化が狙い目です。出船前には天候・海況を必ず確認し、安全な海況の日を選びましょう。
網走近郊の主要釣りポイント
遊漁船は網走市内の各港(網走港や網走川河口付近)から午前5時頃に出船します。船はライセンス指定海域内の沖合約5~10km先のポイントを目指し、水温や魚群探知機を頼りに秋鮭の群れを探します。一般的に網走沖と常呂湾(常呂沖)付近が主要ポイントですが、斜里町ウトロ方面に向かう船もあり、当日の状況で広範囲を巡っていきます。
網走で楽しむ遊漁船(釣り船)ガイドと予約方法
遊漁船(釣り船)とは?
遊漁船(釣り船)は、漁業とは別に遊漁目的で運航される民間の釣り専用船です。網走ではアキアジ船を専門に扱う船宿があり、乗合船形式で1隻に複数の釣り客が乗り合わせます。
船長や釣りガイドが同船し、ポイント案内や釣り方のアドバイスをしてくれるため、釣り初心者でも安心して参加できます。必要に応じて釣り道具一式をレンタルできる船宿も多く、手ぶらで訪れても大丈夫な場合があります。
網走のおすすめ船宿と料金相場
網走エリアにはアキアジ船を専門に扱う釣り船がいくつかあります。多くの船宿は電話やオンライン予約で受付けており、1人あたりの乗船料はおおむね9,000~12,000円程度が相場です(エサ・仕掛けは個人で用意するのが一般的ですが、船宿で販売している場合もあります)。北海道の釣り船予約サイトを介する場合もあります。
アキアジ船は人気が高く、特に9月の釣期中は週末・祝日の出船は早々に満席になります。
希望日に乗船したい場合は春先から早めに予約し、計画的に釣行準備を進めましょう。
予約の仕方や注意点
予約は船宿に直接電話するか、釣り船予約サイトなどで行います。予約時に出航地(網走港か常呂港など)と集合時間をしっかり確認しましょう。出船は早朝のため、前泊しておくと当日が安心です。キャンセルポリシーは船宿ごとに異なるため、キャンセル料発生日を確認しておきます。
釣行前には釣り具や持ち物の説明がある場合もあるので、集合時間の少し前に港へ到着しておくのがよいでしょう。また、乗船時には健康状態の確認がある船もあります。万が一体調に不安があれば事前に連絡し、大事をとって対応してください。
出船前の準備(集合時間・持ち物など)
出船当日は出航30分前には港に集合し、船長からの安全講習を受けます。ライフジャケットの着用は義務なので忘れずに着け、釣り座の位置や救命具の場所を確認しておきましょう。
早朝は冷え込むため、防寒用の上着や手袋が必須です。防水の航海コートやレインウェアがあれば、波しぶきや急な雨にも対応できます。
また船上は照り返しが強く日焼けしやすいので、帽子やサングラス、日焼け止めも用意します。
船酔いが不安な人は出船前に酔い止め薬を服用するとよいでしょう。飲み物や昼食も持参するか、船宿の仕出し弁当を予約する場合は事前に申し込んでおきます。釣り場は海上のためトイレは限られるので、心配な場合は出船前に済ませておきましょう。
網走アキアジ船釣りに必要な道具・仕掛け
釣り竿・リールの選び方
アキアジ釣りには中型以上の手持ちロッドか中・大型の電動リール付きロッドが適しています。
手返し重視で電動リールが主流ですが、初心者向けに予算を抑えるなら大型のスピニングリールでも十分対応可能です。道糸はPE5~6号を100~200m巻き、リーダー(フロロカーボン)は10~20号程度を使います。仕掛けは胴突き2~3本鈎のウキルアー仕掛けが基本で、鈎数が多い分、当たりが来たときの引きが非常に強烈です。
ライン・ハリス・オモリの設定
オモリは船釣り用の250号前後を基準に、潮の流れに合わせて200~300号程度を選びましょう。
潮流が速い日は重めのオモリを使用し、潮の緩やかな日は軽めにすることで釣りやすくなります。
仕掛けは胴突き2~3本鈎で、ウキ型のフローターが付いた「ウキルアー仕掛け」を用います。
釣り具店には秋鮭専用の仕掛けが市販されており、特に初心者はセット品を使うと安心です。鈎につけるハリスパイプやスカートの色は状況によって使い分けましょう。
餌の種類と準備(サンマなど)
船アキアジ釣りの付けエサはサンマ(秋刀魚)のぶつ切りが主流です。サンマを1~2cm角に切り分け、前夜に塩を振って冷蔵庫で寝かせておくとエサ持ちが良くなります。そのほか、カツオのハラモやイカの切り身も代表的なエサです。現地の船宿で味付きエサが販売されることもありますが、必要数を自分で用意しておきましょう。生物エサは傷みやすいので、クーラーボックスで冷蔵保存し、釣行最後まで新鮮さを保つのがポイントです。
服装と必需品(防寒具、救命胴衣など)
9月の網走沖は早朝と夜間は冷え込むことが多いので、防寒着が必須です。ウィンドブレーカーやフリース、ニットキャップ、手袋などで保温対策をしましょう。海上は風が強く体感温度が下がるので、透湿性のある防風・防水ジャケットがあると快適です。船水がかかることもあるため、替えの服やタオルもあると安心です。
日差しが強い日はサングラスや帽子、日焼け止めで紫外線対策を。船酔いしやすい人は酔い止め薬を服用し、食事は船内の休憩時にとれるように軽食やお茶等を用意します。滑りにくい靴や船橋で転倒しにくい汚れてもよい服装が望ましいです。また救命胴衣(ライフジャケット)は必ず携帯し、着席中以外でも安全ベルトが付いていれば活用しましょう。
網走アキアジ船釣りの釣り方・上達のポイント
基本的な釣り方(胴突き仕掛け)
アキアジ船釣りの基本は、底付近を狙う胴突き仕掛けを使う釣り方です。まず仕掛けを投入して海底に着底したら、軽く竿を上下させながら誘いをかけます。釣り糸のたるみを取り、時折3~5mほど巻き上げてから再び落とす操作を繰り返します。このとき、竿先から伝わる微かな違和感に注意を払いましょう。アキアジは逃げ足が早い回遊魚のため、ヒットしたら慌てずに竿をゆっくり持ち上げ、糸フケを取りながら確実に仕留めます。
ウキルアーやエサでの誘い方
ウキルアー仕掛けでは浮きが一定層を漂うように調整し、エサ釣りでは仕掛けを動かしてエサにアピールします。アタリがなければ仕掛けが底でじっとしていてもセンスが悪いわけではなく、往来魚の反応を待っている状態です。釣れている人の仕掛け色や浮きの高さを参考に、同じパターンに合わせて変更してみると効果的です。特に朝夕は光量が変化するため、ケミホタル付きの仕掛けを使うとアピール力が高まります。
当たりが出たときの合わせ方
アタリがあったらすぐに大合わせをするのではなく、まずは糸フケを取ってから竿を軽く立てます。ウキが急に消し込む・竿先が大きく叩く動きが有効なアタリのサインです。慌てずに竿を固定してからゆっくり巻き上げるとバレにくくなります。引きの強いアキアジを掛けたらテンションを一定に保ち、パワーで走られても慌てず慎重に寄せてください。
一荷で複数尾掛かることも珍しくないので、仲間とスペースを共有しながら慎重に釣り上げましょう。
釣果を上げるテクニック(カラー選びなど)
エサや仕掛けのカラーは状況次第で変更するのが釣果アップのコツです。日中はシルバー系やケイムラなど光反射の強い色が効きやすく、薄暗い早朝・夕まづめはケミホタルや夜光パイプ入りの派手な仕掛けが有効です。周りの釣り人で当たりが出ている色や餌を真似するのもテクニックの一つです。
また、同じポイントで釣れなくてもウキの浮き位置やハリス長を微調整してタナを変えてみると、良型のあたりを拾えることがあります。船長のアドバイスも参考にしながら、状況に応じて仕掛けを工夫しましょう。
網走アキアジ船釣りの注意点・ルール
【ライセンス制度】網走・斜里沖では秋サケの船釣りにライセンス制度が導入されており、9月1日~30日の期間のみ遊漁船の乗船者に釣りが許可されています。1人あたりの1日持ち帰り尾数は5尾までと定められているため、ルールを遵守して持ち帰りましょう。
網走海区漁業調整委員会は資源保護のため上記期間以外の船釣りや無許可の釣行を禁じています。
遊漁船は必要な許可を取っていますので、同船者は船長の指示に従って決められた海域・時間だけ釣りを行ってください。規制区域では定置網への接近も禁じられているので、ライセンス制度を理解したうえで安心して船釣りを楽しみましょう。
持ち帰り制限とライセンス制度
漁獲資源を守るため、アキアジの持ち帰り数には制限が設けられています。1日あたり1人5尾までが上限ですので、釣果が多いときは協力して魚を分配するなどしましょう。また、網走では遊漁用釣り船の運航許可を「ライセンス」として管理しており、指定されたライセンス海域以外ではサケ釣りができません。釣りをする際は必ず遊漁船を利用し、違反しないよう注意してください。
釣りのマナー・環境配慮
釣り場では周りへの配慮が重要です。ゴミは必ず持ち帰るか船長の指示に従って処分し、海に放置しないでください。竿を扱う際は他の釣り人と仕掛けが絡まないよう注意し、大声で騒がないように心掛けます。釣った魚は船べりで下北(鮭絞め)する際、血が海に流れないように片付けましょう。網走市周辺の釣り場ではマナー違反が取りざたされることがありますので、全員が秩序を守って釣りを楽しむようにしましょう。
安全対策(ライフジャケット・周囲確認)
船釣りでは安全対策が欠かせません。ライフジャケットの着用は法律で義務付けられており、出航中は常に着用しておきます。オホーツク海の水温は低いため、万が一落水すると低体温症のリスクが高いです。風や潮の流れが強い日には船が揺れやすくなるため、釣り座で姿勢を低く保つ、滑りにくい靴を履くなどの工夫をしましょう。出船前に船長から安全指示があるので従い、異変を感じたら速やかに知らせてください。
まとめ
網走のアキアジ船釣りは、1年に1ヶ月限りの貴重なフィールドであり、70cm級の大物とダイナミックにやり取りできる魅力的な釣りです。初心者であっても遊漁船のガイドやレンタル用品で手軽に参加でき、秋鮭本来のパワーと旨味を存分に楽しめます。ライセンス制度や持ち帰り制限といったルールを守りつつ、シーズン前にしっかり準備しておけばトラブルなく釣果につなげられます。
予約は早い時期に満席になるため、計画的に日程を組み、万全の装備で網走の秋鮭船釣りを満喫してください。