投げ竿を使った投げ釣りでは、オモリ負荷(号数)の理解がポイントです。オモリ負荷とは竿に表示された数字(号数)で、竿に適した錘(おもり)の重さを示しています。適切なオモリを選べば、飛距離が伸びて釣果が向上し、魚のアタリも取りやすくなります。
本記事では2025年最新の情報を踏まえ、投げ釣り初心者にも分かりやすくオモリ負荷の意味や選び方、飛距離への影響、注意点などを解説していきます。初めての投げ釣りでも安心して竿選びができるよう、丁寧にご案内します。
投げ竿のオモリ負荷とは?基礎知識
投げ釣り用の竿には「オモリ負荷○○号」と表示されていることがあります。これは、その竿が推奨する錘の重さの範囲(号数)を示しており、竿の性能を引き出すための目安です。
例えば「20~30号」と書かれていれば、20号から30号くらいの錘まで快適に使える設計だと考えられます。オモリ負荷はあくまで適正な範囲なので、あまり軽すぎると竿がしなりませんし、重すぎると竿が急激に曲がってしまい飛距離が伸びません。
投げ竿のオモリ負荷に使われる「号数」は、鉛の重さを基準にした単位で、実際の重さ(グラム)は以下のようになります。1号=3.75gですので、号数に0.375をかけると重さがわかりやすくなります。
- 1号 = 3.75g
- 5号 = 18.75g
- 10号 = 37.5g
- 20号 = 75g
- 30号 = 112.5g
- 40号 = 150g
このように、号数が大きくなるほど錘は重たくなります。実際に竿に「標準錘負荷○号」と表記があることもあります。これは標準的に使う錘の号数で、たとえば「錘負荷20~30号、標準錘負荷25号」とあれば、25号あたりが理想となります。
ただし、標準錘負荷より1段(2~3号程度)軽い錘を使うと、キャストしやすく飛距離も十分に出せると言われています。竿に書かれているオモリ負荷は目安と考え、体力や釣り方に合わせて選ぶのがポイントです。
オモリ負荷(号数)の意味
オモリ負荷は竿が扱える錘の許容範囲を示すものです。これに従って適切な錘を使うと、竿に掛かる負荷が均等に働き、振り抜きやすくなります。反対に許容範囲外の重さだと、竿のしなり方が悪くなり、キャストが安定しません。したがって、竿に表示されたオモリ負荷は「この範囲内なら問題なく使えますよ」という目安と理解しておきましょう。
号数と重さの換算
前述のように、号数からグラムに直すには「1号=3.75g」で計算します。例えば10号なら約37.5g、25号なら約93.75gです。軽い錘(5号以下)を使う釣りと重い錘(30号以上)を使う釣りでは扱う重量が大きく違うため、竿選びの際にはこの重さ換算も頭に入れておきましょう。重量をイメージしておくと、飛距離やアタリの出方にも影響するバランスを考えやすくなります。
竿の表示と「標準錘負荷」の読み方
竿には「錘負荷20~30号、標準錘負荷25号」のように範囲と標準値が示されていることがあります。範囲は使える錘の目安で、標準錘負荷はメーカーが想定する最適重量です。一段軽い錘を使うアドバイスもよく聞かれ、たとえば標準25号なら23号で使うのが扱いやすいともいわれます。
つまり、標準よりやや軽い錘を使うとキャストが安定しやすいわけです。
ただし、標準より重い錘(30号以上)を無理に使うと竿が「腰砕け」になり、飛距離が落ちたり竿を痛めたりする可能性もあります。あくまで標準錘負荷は目安なので、実際には使いやすさと安全性を優先して選びましょう。
釣り場・ターゲット別のオモリ負荷の選び方
投げ釣りでは、釣り場の環境や狙う魚の種類によって適したオモリ負荷が変わります。重い錘は飛距離が出やすく足元を安定させますが、振り抜く体力も必要です。軽い錘は小さなアタリを感じやすい反面、飛距離に限界が出ます。釣り場やターゲットに合わせて、これらの特性を踏まえたオモリ選びが重要です。
魚種や釣り場に合わせたオモリ選び
砂浜でのキスやカレイ釣り、防波堤からのチョイ投げなど、狙う魚と釣り場によって適正なオモリは異なります。一般的に、比較的近距離で小型魚を狙う場合は10~20号程度の軽い錘で十分です。軽い錘ならアタリが手元に伝わりやすく、引き釣りなどで小さな反応でも取りやすくなります。一方、遠投して大きな魚や糸が流されやすいポイントを攻める場合は20号以上の重い錘が向いています。重い錘は仕掛けが安定し、沈んで留まりやすくなるので、流れが速い海底や遠投の必要なカレイ釣りなどで効果的です。
また、防波堤など足場が高い場所では、強風や波しぶきの影響を受けやすいため、軽い錘では仕掛けが流されがちになります。こうした場合は重めの錘で狙点にラインを固定すると釣りやすくなることもあります。ただし、体力に合わせて重さを調整することも大切です。
力に自信のない人は、飛距離を多少犠牲にしても振りやすい号数にすることで疲れにくく、長時間続けられます。
軽いオモリが適した場面
小型魚の引き釣りや近距離を狙う釣り方では、軽いオモリ(10~15号程度)が適しています。
軽いオモリは竿先のしなりが良く、繊細なアタリを取りやすいのがメリットです。例えば、防波堤からキス釣りを楽しむ場合や、投げ釣りの初心者がまず手軽に試すときは、扱いやすい軽めの錘を選ぶといいでしょう。軽い錘なら竿を扱いやすいため、投げる際に竿が十分にしなって飛距離も一定程度稼げます。
また、浅めの場所で小型のエサ付き仕掛けを使う釣りでは、竿を大きく煽らなくても糸が張りやすいので、軽いオモリでも十分に釣りが成立します。軽いオモリを使うと仕掛けがゆっくり沈むため、エサや仕掛けに違和感を感じた魚のアタリを逃さずに取りやすく、バラシも減らせます。
重いオモリが適した場面
遠投して水深のある場所や流れの速いポイントで釣る場合、大型魚狙いや底をしっかりキープしたい釣り方では、重いオモリ(20号以上)が向いています。例えば、遠くのポイントでカレイやアナゴなどの大物を狙うときは、30号前後の錘を使うことで仕掛けが安定しやすくなります。重いオモリは投げた瞬間に大きく竿をしならせるので、遠心力を使って強い飛距離を得やすいからです。
また、海流が速い日や潮位の高い日には、重い錘で仕掛けが流されにくくなるメリットがあります。重みが加わることで糸が張りやすく、仕掛けが底に沈んで固定されやすくなるため、流されにくくアタリを取りやすくなります。ただし重い錘を使うと竿や体への負担も増えるので、長時間釣りをする場合は疲れないよう軽い仕掛けとのバランスを考慮しましょう。
オモリ負荷と飛距離の関係
オモリの重さは飛距離に大きく影響します。一般に重たいオモリほど遠くへ飛びますが、重量が重すぎると竿のパワーに負けて飛距離が伸びなくなることもあります。最も効率良く遠投するには、竿のオモリ負荷に近い重さを使うことが基本です。以下の目安表のように、オモリ号数ごとに届きやすい距離の目安を参考にするのもいいでしょう。
オモリ号数別の飛距離目安
竿のオモリ負荷(号) | 使用推奨オモリ号数 | 飛距離の目安 |
---|---|---|
20号 | 15~20号 | ~60m程度 |
23号 | 20~23号 | ~80m程度 |
25号 | 23~25号 | ~100m程度 |
27号 | 25~27号 | ~120m程度 |
30号 | 27~30号 | ~140m程度 |
33号以上 | 30~33号 | 150m以上 |
この表はシマノなどの投げ竿を基にした参考値です。実際には釣り人の筋力やキャスト技術、風・波の影響などで変わりますが、おおよその目安にはなります。たとえば、標準錘負荷25号の竿なら25号前後のオモリを使ったときに最長距離が出やすい設定です。
遠投を重視する場合の選び方
より遠投したい場合は、竿の標準負荷付近の重いオモリを選ぶことが基本です。竿が大きくしなることでエネルギーを溜められ、飛距離が伸びます。ただし、無理に最大重量を使うと振り抜きが難しくなり、飛距離が逆に落ちる場合もあるので注意が必要です。遠投重視の人は30号前後の竿を使い、標準負荷より1~2号重い錘を使うと効果的です。キャスト動作では「タラシ」を長めに取ると竿をしっかり曲げられるので飛距離アップにつながります。
また、飛距離だけでなく、飛ばす先の深さや障害物も意識しましょう。遠くの水深が浅い場合は、重いオモリだと着底が速く魚に気付かれやすいので、中程度の重さに抑える方が釣りやすいこともあります。
風や潮流に合わせた工夫
風が強い日や潮が速い日には重めのオモリを選ぶ工夫が必要です。強風時は軽量オモリでは思わぬ風に煽られて飛距離が出にくくなるため、2~3号重い錘を使うことで安定した飛びが得られます。潮流が速い場合も同様で、重いオモリを使うと仕掛けが流されにくくなって投げたポイントに留まりやすいです。
一方、無風・凪の日は軽いオモリでも飛距離が稼ぎやすいため、あえて軽めの錘を使って魚のアタリを取りやすくする手もあります。また、防波堤など直接風の影響を受けやすい場所では、風向きを考慮して立ち位置を工夫し、いつもより重い錘を使うかどうか検討してください。
オモリ負荷使用時の注意点
オモリ負荷は目安ではありますが、範囲外の錘を使用する際には注意が必要です。竿の推奨範囲よりも大幅に重い錘を使うと竿が折れたり、逆に軽すぎる錘では飛距離が稼げず釣りが成立しないこともあります。それぞれの場合にどのような影響があるのか見てみましょう。
適正範囲外のオモリ使用リスク
まず大前提として、竿に表示されているオモリ負荷はメーカーが設計した推奨範囲です。この範囲内のオモリなら使用上問題なく、竿も想定どおりに働きます。一方で、この範囲より重いまたは軽いオモリを選ぶと、竿のパフォーマンスや安全性に影響を与えます。推奨範囲を超えてあえて重い錘を使う人もいますが、竿への負担が増すことには変わりません。
特に竿先やブランクス(竿身)に負荷が集中し、折損や脱線のリスクが高まるため、注意しましょう。
重すぎるオモリを使う場合の注意
錘負荷の上限以上の重いオモリを使うと、竿は想定以上に大きく曲がります。結果として竿が「腰砕け」になり、反発力を発揮できなくなることがあります。振り抜いてもエネルギーが竿に蓄えられず、飛距離が伸びない原因になります。また、重い錘をキャストする際には竿や体に大きな負担がかかり、肩や腰を痛める恐れもあります。さらに、着水時のショックで竿先が破損したり、ガイドが折れることもあります。
最近のカーボン製投げ竿は非常に頑丈にできていますが、取扱説明書にあるオモリ負荷の範囲を超えて使うのは自己責任と考えるべきです。どうしても重たい錘が必要な釣りでは、最初から対応する硬めの竿を選ぶ方が安心です。
軽すぎるオモリを使う場合の影響
逆に、オモリ負荷よりもかなり軽い錘を付けると竿が十分に曲がらず、反発力が発揮されません。キャスティング競技のように特殊な技術で遠投する場合を除いて、ほとんど飛距離が伸びなくなります。また、長く軽い仕掛けになりやすいので、狙ったポイントに届いても仕掛けが斜め浮きしやすく、釣りにくくなることもあります。
さらに、軽いオモリを使うと糸ふけや流されやすさが目立ち、小さなアタリまでしっかり伝わらなくなることがあります。一方で仕舞寸法や携帯性で振出竿を使う場合、軽い負荷の竿の方が振りやすいというメリットもあります。要するに、軽いオモリで飛距離が必要な釣りには向いていませんが、狙いが近距離でアタリ重視ならば、あえて軽量錘負荷の竿を選ぶ手もあります。
まとめ
投げ竿のオモリ負荷は、竿選びと仕掛け選びで非常に重要なポイントです。オモリ負荷はあくまで目安ですので、表示された範囲内の錘を基準に、ターゲットや釣り場に合わせて最適な重さを選びましょう。軽すぎる錘は飛距離不足につながり、重すぎる錘は竿への負担が大きくなります。
一般には標準負荷付近の錘を使うのが扱いやすく、余裕があれば1~2号軽めにするのがコツです。表に示した号数ごとの飛距離目安も参考にしつつ、風や潮流、釣り方を考慮してオモリを選んでください。投げ釣り初心者の方は、まずは竿に合った標準的なオモリから試し、釣り場で感触をつかんでいくと良いでしょう。
本記事の内容を活用して、自分に合う投げ竿とオモリ負荷を選べば、投げ釣りの遠投性能やアタリ取りの成果もきっと上がるはずです。安全かつ快適な投げ釣りライフを楽しんでください。