伊勢海老は高級食材として知られ、そのプリプリの身と濃厚なミソが魅力です。
釣りで自ら獲る体験も格別で、初心者から上級者まで人気の釣りです。
この記事では、伊勢海老釣りの基本からプロのテクニックまで幅広く解説します。
伊勢海老釣り入門者もベテランも必見の内容で、自信を持って釣行に臨めるようになります。
伊勢海老釣りは高級食材を自分で釣り上げるスリルが魅力です。まずは基本の道具と安全装備を整え、釣行時期やポイントを学びながら挑戦しましょう。
伊勢海老釣り入門:基本の釣り方をマスターしよう
伊勢海老釣りは日本各地の沿岸で楽しめる特別な釣りです。生息域は岩礁やサンゴ礁が豊かな浅瀬で、夜になると活動が活発になります。秋から冬(9~4月)は伊勢海老がエサを積極的に探す時期で、その身は高級食材としても知られています。ポイントとなる釣り方の基礎を押さえて挑戦すれば、初心者でも伊勢海老を狙うことが可能です。
伊勢海老の特徴と魅力
伊勢海老は全身を硬い殻で覆われ、鋭い棘(とげ)が特徴です。体長は最大で60cm程度に達し、殻を除いた身はプリっとした弾力と甘みがあります。また強いパンチ力を持ち、釣り上げたときの引き味も迫力満点です。野生の伊勢海老を自分で釣り上げる喜びは他の釣りでは味わえない醍醐味と言えます。
釣りの基本的な流れ
釣りを始める基本的な流れはまず、釣り場選びからです。伊勢海老は岩場や堤防際に潜むので、水深があり障害物の多い場所を選びましょう。昼間は岩陰に隠れているため、夜釣りで照明を使って仕掛けを投入するのが効果的です。照らしながら静かな場所で釣り座を構え、餌を仕掛けにセットしたら海底までゆっくりと落とします。
次に餌を海底に沈め、伊勢海老が来るのを待ちます。アタリは「コンコン」と軽い衝撃やラインの微動として現れます。アタリを感じたら慌てずゆっくりと食い込むまで待ち、しっかり食いついたタイミングで合わせを入れて引き上げましょう。
伊勢海老釣りに必要な道具と仕掛け
伊勢海老釣り用のタックル(竿・リール・ライン)はパワー重視です。磯竿や投げ竿など長さ5~6mの硬めの竿を使い、大型の獲物にも耐える強力なリールを選びます。ラインは耐久性のあるPE4~5号程度を使用し、予備ラインも用意してください。仕掛けは市販の伊勢海老用セットが便利で、専用の吸い込み針(はね鉤)やシンカーがセットになっています。
- 磯竿(硬め、長さ5~6m)
- 大型リール(糸巻量多め)
- PEライン4~5号+太いハリス
- ヘッドライト(夜釣り用)
仕掛けは伊勢海老専用のものを用意しましょう。吸い込み式仕掛けは餌をネットに入れて底に落とす方式で、伊勢海老が餌を引っ張ると針が引っ掛かる仕組みです。初心者はこのようなセット仕掛けを使うと簡単に釣りを始められます。重りやウキは潮流や海底状況に合わせて使い分け、餌が安定するよう調整します。
重要:ヘッドライトとライフジャケットは必携です。夜間でも足元や周囲を照らして安全に釣りができるようにしましょう。
タックルの基本:竿・リール・ライン
伊勢海老釣りの竿は、引きに耐える硬調子の磯竿を用います。長さは5~6mが基本で、号数は大物向けの3号以上を目安に選ぶと安心です。リールは糸巻き量が多い大型の両軸リールかスピニングリールを使い、ドラグ性能がしっかりしたものを選択します。
ラインにはPE4~5号程度の太糸を使用し、ショックリーダーも20号以上の太めのものを装着します。切れづらさ重視で使用し、根掛かりに備えて予備のラインを用意しておくと安心です。
仕掛けの種類と使い方
伊勢海老釣りには専用の仕掛けがいくつかあります。代表的なのは吸い込み式仕掛けで、餌を網カゴに入れて海底に落とし、伊勢海老が餌を掴むと吸い込み針が掛かる仕組みです。初心者はこのタイプを使うと使い方が分かりやすくおすすめです。
その他、エサを直接針に刺す従来型の仕掛けもあります。市販の伊勢海老仕掛けセットには、専用の吸い込み針(はね鉤)やシンカーが含まれているので、初めてでも手軽に使えます。餌をセットした仕掛けを静かに沈め、伊勢海老を待つだけです。
その他の必須アイテム:光源と安全装備
伊勢海老釣りは夜釣りが中心のため、明るいヘッドライトは必須アイテムです。手元を照らすだけでなく、海中を照らして釣り場を確認したり釣果をチェックするのにも役立ちます。ヘッドライトは首にかけられるタイプを選び、予備バッテリーも準備しましょう。
また、安全装備としてライフジャケットは必ず着用してください。磯場では滑落や転倒の危険があるため、ウエットスーツや滑りにくい磯靴、グローブも用意します。グローブは伊勢海老の鋭いハサミや鋏棘から手を守るためのものです。十分な装備を整えて、安全第一で釣りを楽しみましょう。
伊勢海老のエサ(餌)選びと付け方
伊勢海老釣りで一般的に使われるエサは、脂の多い青魚の切り身やイカ類です。特にイワシ、サバ、アジなどの切り身は匂いが強く、伊勢海老を寄せやすいので初心者にもおすすめです。また、新鮮なイカやタコも集魚力が高いエサです。エサは一口大に切り、骨や硬い部分を取り除いて用意します。
エサは餌カゴや吸い込み針にしっかり固定して使います。例えばイワシの切り身は数cm幅に切り、針や網かごにしっかりと巻きつけます。冷凍エサを使用する場合、解凍しすぎず少し固めの状態で仕掛けにセットすると長持ちします。釣行中は保冷剤入りのクーラーに入れて新鮮さを保ち、餌が劣化したらこまめに交換しましょう。
伊勢海老が好む餌の種類
伊勢海老は強い匂いのあるエサに反応しやすいです。代表的なのはイワシやサバ、アジといった青魚の切り身で、これらは臭いが漂いやすく遠くの伊勢海老も寄せます。またイカ類(コウイカやアオリイカなど)の胴体やゲソは身が硬く、食いが長続きするので効果的です。新鮮なオキアミや釣り用エビも一定の効果がありますが、手軽に手に入る青魚とイカが基本のエサになります。
餌の付け方や保存の工夫
餌は針やカゴにしっかり付けることが大切です。青魚の切り身は、身を数枚重ねて針に巻きつけるようにして固定します。身が滑り落ちないように骨や皮を利用して留めるのもコツです。イカやタコは薄く裂いて食いつきやすくし、複数枚を重ねて針に固定します。
釣り場で餌がすぐに硬くならないよう、クーラーボックスや保冷バッグで冷却して保管しましょう。暑い日でも餌が枯れないように、使う直前まで冷蔵状態にしておくと効果が長持ちします。
頻繁に付け替えて常に良い状態の餌をキープするのがポイントです。
自作餌 vs 市販餌
市販の伊勢海老用エサセットもいくつか販売されています。これらは匂いを強化したり扱いやすく加工されているメリットがありますが、コストは高めです。一方、青魚の切り身は冷凍保存が可能で経済的です。釣行前に余った青魚を冷凍してストックしておけば、いつでも自作餌を用意できます。
まずは手軽な市販エサや釣具店のセットから始めてみましょう。釣りに慣れてきたら、自分で餌を工夫したり、地域の釣り人が使う餌を試してみると面白いです。いずれにしても、匂いの強い新鮮な餌を使うことが釣果アップの鍵になります。
釣り場・時期:どこでいつ釣れる?
伊勢海老釣りのベストシーズンは一般的に秋から冬にかけてです。潮が下がり始めたころ(9月下旬以降)から水温が低下し、伊勢海老が活発にエサを探し始めます。産卵後の秋は体力を取り戻すために捕食行動が活発化し、釣果が期待できる時期です。ただし、地域によって禁漁期間が設けられている場合もあるので、釣行前には必ず漁協や役所に確認してください。
場所は岩礁帯や堤防が主なフィールドです。特に南西諸島や太平洋沿岸、伊豆半島周辺など、伊勢海老の生息数が多いエリアでは好釣果が狙えます。釣り場では岩がゴツゴツしている磯の突端やテトラポッド周り、漁港の波止場などが狙い目です。水深があり潮通しが良いポイントは伊勢海老の隠れ家になっていることが多く、重点的に探りましょう。
伊勢海老釣りに適した時期
一般的に伊勢海老釣りは9月下旬から翌年4月がハイシーズンです。水温が下がり始める秋口に伊勢海老は活発にエサを探し回り、産卵後の体力回復で特に釣果が上がりやすいとされています。春先(3~4月)も動きが活発になる時期ですが、多くの地域で禁漁期間を終えた直後は特に魚影が濃くなる傾向があります。釣行前は地域ごとの漁業ルールを確認し、禁漁期間中は絶対に釣りをしないようにしましょう。
狙う時間帯:夜釣りと早朝の効果
伊勢海老は夜行性の生き物です。夜間になるとプランクトンを求めて動き回るため、夜釣りが最も効果的です。ヘッドライトで海面を照らしながら仕掛けを落とすと、ラインに反射する微かな光でアタリが取りやすくなります。また、夜明け前後の早朝も伊勢海老が活発に動く時間帯です。夜通し釣りをして早朝まで粘ることでアタリが集中する場合もあるので、時間に余裕を持った釣行がおすすめです。
おすすめの釣り場とポイント
陸っぱりで狙うなら、岩場やテトラポッドがある堤防・磯が狙い目です。伊勢海老は隙間や穴に潜んでいるため、周囲が岩でごつごつした場所を重点的に攻めましょう。漁港の波止場でも、堤防や岸壁に灯りが当たる場所はエサとなる小魚が集まるため、伊勢海老も近づいてきます。特に水深のある堤防の先端部や、底質が岩や貝殻の多い場所を選ぶと良いでしょう。
漁業権・禁漁期間の確認
伊勢海老は各自治体で漁業権が設定されています。許可された漁場でのみ釣りを行い、禁漁期間中は釣らないようにしましょう。特に7~8月は多くの地域で禁漁期間に当たるため、この期間の釣行は法律違反になります。違反すると罰則を受けるだけでなく、資源保護の観点からも好ましくありません。釣行前には漁協のWebサイトや掲示板で、禁漁期間や漁業権について必ず情報収集しましょう。
伊勢海老の釣り方:手順とテクニック
仕掛けを投入した後は、ラインのたるみ具合に注意しておきます。伊勢海老がエサをつつくと微かな重みやゴソゴソとした動きでアタリが伝わります。慌てずに竿先を見ながらじっと待ち、違和感を感じたらまずは食いつかせます。伊勢海老がエサを抱えるようにして動くのを確認したら、竿を立ててしっかり合わせを入れましょう。
合わせた後は落ち着いて巻き上げます。一気に引き抜くとハリが外れやすいため、竿を下げすぎずに一定の速度でラインを巻きます。大型の伊勢海老ほど強い引きがあるので、力任せではなく手返しよく巻き取ることが大切です。水面付近まで浮かせたらタモ網(またはギャフ)で確実にすくい上げましょう。釣り上げた伊勢海老は素手で触らず、必ずグローブやタオルで殻を押さえてから慎重に扱います。
仕掛け投入からアタリまで
仕掛けを海底まで沈めた後は、わずかにリールを巻いて餌を海底に安定させます。海底に仕掛けがついたら、軽くラインを張りながら竿を構えて静かに待機します。夜釣りではヘッドライトでラインの動きを目視したり、メガホンのように竿先で音を拾うとアタリ感度が上がります。周囲の雑音を減らし、ラインに手を触れてアタリを感じ取るのも有効な方法です。
アタリを感じたら:合わせのタイミング
伊勢海老が餌に触れると、竿先に「コンコン」という衝撃が伝わります。このとき、竿先を下げようとする動作があれば、それが食い付いているサインです。早合わせは失敗のもとなので、一拍置いてしっかり食い込ませます。具体的には、竿先が下に引っ張られたまま2~3秒待ち、その後グッと竿を立てて合わせます。しっかり引き上げれば、伊勢海老の力強い反撃を感じながら釣り上げることができます。
引き上げ~取り込み時の注意
合わせた後は、すぐにドラグを締めて巻き上げます。伊勢海老は最後まで抵抗しますので、竿を立ててリールを巻き続けましょう。海面近くまで出たら急がずにタモ網を使います。伊勢海老は脱走力が高いため、慌てて腰を落としたり、引き抜こうとせず、必ずタモでキャッチしてください。
釣り上げた伊勢海老は背後から持ち上げると安定しますが、鋏(はさみ)には十分注意します。
釣った場で食べる場合はすぐに冷やすか、水イケスなどで活かしておき、持ち帰ったら血抜きをして冷蔵保存してください。
釣果アップのコツ:プロ直伝のテクニック
経験者が教えるワンランク上のコツには、繊細なアタリ取りと仕掛けの工夫があります。まず、釣行前に潮回りをチェックし、満潮前後や潮止まり前など伊勢海老の活性が高い時間帯を狙いましょう。現地に着いたら海面を照らして魚影や小魚の動きを確認し、釣れそうな場所に的を絞って仕掛けを投入します。
また、プロはリールのドラグを緩めに設定し、微かなアタリでもラインを手に伝わるように調整します。竿先を手で支えるように持つと、わずかな引き込みを感じ取りやすくなります。ダイブライトの角度を調整して水中の光量を変えると、活性がイマイチなときにも餌に気づかせやすくなります。こうしたひと手間で釣果に差が出るのです。
プロが教えるアタリ感度の上げ方
熟練者は釣行中、常にドラグと手元の感覚を調整しています。時々リールのハンドルを緩め、ラインの張りを軽くしておくことで小さなアタリを逃しません。竿を少し下げ気味に構えると、アタリで竿先が引かれたときにわかりやすいです。音が静かな場所では、竿先を垂らしてラインに触れると、クリック音でアタリを取ることもあります。
エサ・仕掛けのアレンジ例
プロは餌にも一工夫します。例えば、餌に塩やアジの干物の粉末を少量振りかけ、匂いを強化する人もいます。イカの餌には味噌を塗って匂いを持続させるテクニックも効果的です。仕掛けでは、シンカー(重り)の位置を微調整して、餌が海底でゆらゆら揺れるようにセッティングします。
エサが沈みすぎるとアタリが取りにくくなるので、潮の流れに合わせて2~3号刻みで重さを変えてみましょう。
釣行前の準備と心構え
プロのように釣果を上げるには、釣行前の準備が重要です。遠征の場合は予め釣り場の情報を収集しておきましょう。現地の釣具店やSNSで情報収集し、釣果状況や潮汐表を確認します。また、夜釣りでは体力勝負になるため、前日はしっかり睡眠を取って疲れを残さないようにします。釣り仲間と連携して釣行計画を立てると、安全で効率的な釣りができるでしょう。
安全対策と注意点
伊勢海老釣りは夜釣りが中心となるため、怪我や事故のリスクがあります。磯場では波にさらわれる可能性や足元の怪我に注意しなければなりません。また、伊勢海老自体にも鋭い鋏や鋭利な棘があるため、取り扱いを誤ると手を痛める危険があります。安全対策を徹底して、釣りを楽しむことが大切です。
- ライフジャケットは必ず着用する
- 夜釣り用ヘッドライトと予備バッテリー
- 滑り止め靴やグローブで防護
- 釣行仲間と連絡手段を共有
- 悪天候の場合は釣行を中止する
【安全メモ】夜釣りの際は常に仲間と一緒に行動し、転落や迷子に備えてホイッスルやGPS機能付きの携帯を携行しましょう。
夜釣りの危険と対策
夜間は視界が悪くなるため、転倒や転落が最大の危険です。磯場では必ず固定された道具(ステーションリー)を使用し、ライフラインを張ると安全度が上がります。ヘッドライトは点灯し続け、足元をしっかり照らせるようにします。磯場で足を滑らせないよう靴底のロック機能や滑り止めを活用しましょう。こまめに立ち位置を見直し、安全帯の使用や潮位の変化にも注意してください。
救命具・装備の準備
釣り場で万が一の時に備え、ライフジャケットはもちろん、携帯電話やホイッスルも持参しましょう。風が強い日や波が高い日には無理な釣行を避けます。手を保護するためのグローブや、切り株や鋭利な貝殻から爪先を守る靴も効果的です。さらに、長時間釣りを続ける場合は簡易体温計や救急セット、小型ラジオなど緊急時に必要な装備があると安心です。
漁業権・禁漁期間の遵守
伊勢海老釣りでは、地元の漁業権を必ず尊重しましょう。許可された釣りエリアで釣行し、禁漁期間中は絶対に釣りをしないことがマナーです。漁業権を無視すると法的罰則を受けるだけでなく、資源保護にも反する行為となります。釣行前に漁協のホームページや漁業組合に問い合わせるなど、ルール確認を徹底してください。
捕獲後の衛生管理
釣り上げた伊勢海老は、新鮮なうちに適切に処理しましょう。クーラーボックスで活かしたまま持ち帰るか、すぐに血抜きして冷蔵保管します。調理前には死後硬直を取るためにしばらく寝かせると身質が良くなります。生で食べる場合は細菌の付着を避けるため塩水やアルコールで表面を洗浄し、清潔な手袋で取り扱いましょう。
まとめ
伊勢海老釣りは特有の仕掛けとテクニックが必要ですが、基本を押さえれば誰でも挑戦できる釣りです。必要な道具、釣り場選び、餌の準備から安全対策まで一つずつ準備していきましょう。プロのアドバイスを参考にし、釣行前にしっかり計画を立てることで釣果は格段に上がります。
自ら釣り上げた伊勢海老は最高のご褒美です。安全対策を徹底しながら、その貴重な釣り体験を存分に楽しんでください。
【初心者のヒント】市販の伊勢海老仕掛けセットを利用すると、必要な道具一式が揃って手軽に始められます。まずは基本に慣れてから、徐々にプロのテクニックを取り入れて釣果を伸ばしましょう。


