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第3回ダイワスーパーバトルカップチヌ全国決勝大会

日時/4月17日(日)
第3回ダイワスーパーバトルカップチヌ全国決勝大会
主催/ダイワ精工株式会社
開催場所/長崎県五島列島福江島玉之浦湾

大会結果(敬称略)
優勝 木村公治
2位 船木和久
3位 高橋良一
4位 佐藤良治

 今回で3回目を迎えたダイワスーパーバトルカップチヌ全国決勝大会がこれまでと開催場所を変え、長崎県五島列島の玉之浦湾にて4月17日(日)開催された。開催場所の玉之浦湾はフカセ師があこがれる釣り場のひとつ。この日の数日前に宿舎に入り、試し釣りをした選手は好釣果だったという。
 しかし大会は勝敗を決するため緊張感のなかでの釣りとなる。普段の釣りと違うのは釣果を競う相手が隣にいるということ。そして隣で釣る相手に釣果を上乗せされればそれはプレッシャーとなって押し掛かってくる。いかに先手をとるか、自分の釣りをまっとうできるかが勝負の分かれ目になるのだ。
 参加選手は9名。各地区の予選をくぐり抜けてきた8名に前回の優勝者1名という構成。このなかから最後に笑えるのはたった1人なのである。
 大会のルールはいたって明快。9名をA、B、Cの3つのブロックに2名ずつ、Dブロックには3名分け、それぞれ磯上がり。午前7時に釣りを開始して午後1時までの6時間が大会時間。この間、ハーフタイムで釣り座交替があるだけでそれ以外は磯替わりもない。「できるだけリラックスした状態で釣りをしてもらいたかった。大会といっても釣りは本来競うものではなく、悩んで楽しむものです。ひとつの釣り場の微妙な変化に気付き、工夫してそれを結果につなげてほしいですね」と大会競技委員長の薄墨賢二さん。
 勝敗は30cm以上のチヌ5匹までの総重量で争われる。まずは各ブロックの勝者を決め、勝ち上がった4名(Dブロックは3名だが勝ち抜けは1名)の5匹の総重量はそのまま優勝の決定につながる。目の前の相手に勝ったとしても優勝はほかの選手の釣果が判明しないと分からないのである。
 そして緊張の各ブロックの組み合わせ抽選がおこなわれた。ところが奇しくも中国地区代表の4選手のうち3名がDブロックに分けられた。しかも3選手とも広島県の選手と手の内を知っている者同士。「でも逆に考えれば広島の誰かは優勝できる可能性があるってことですね」と広島県大会準優勝の浜本幸二さん。抽選が終わり、各選手ともリラックスした雰囲気のなか夜は更けていった。
 迎えて大会当日。午前5時に宿舎前の港では選手が念入りにマキエを用意していた。マキエは各選手のリクエストした配合エサが使えるため、比重を重視するか、量を重視するか、濁り重視か……。地域性が出るのかなかなか変わった配合も見られた。
 試し釣りをした選手はほかの選手よりもこの釣り場の情報を持ってはいるものの、慣れていない釣り場で少しの情報は逆に迷いが出てしまうかもしれない。「この微妙な情報が試合にどう左右するか見物ですね」と薄墨さん。
 陽も昇り、午前6時に船は選手と報道陣を乗せて港を出船。ブロックごとに選手とともに磯上がりしていくが、報道陣も磯替わりできないため、本誌は前回優勝者の船木和久選手、岡山県代表の山口大輔選手とともに磯上がり。
 午前7時、試合開始。仕掛け、マキエが放たれていく。船木選手は前日の試し釣りから「潮は思った以上に流れなかったのですが、タナは少し深めにとって海底の起伏のある場所を狙っていきます。サイズに関しては太めなタックルで臨みます」という作戦を立てていた。
 これが見事的中し、開始から1時間経過したころから連続で10匹という釣果をたたき出した。しかもサイズがすべて40cm後半というのだからまさに五島の魚影のすごさを感じさせる。太めなタックルでやり取りを確実におこない、釣果を伸ばしていく。対戦相手の山口選手は潮の流れに苦戦しつつも、4匹の良型チヌを釣り上げ船木選手に待ったをかける。
 しかし納竿までに山口選手は4匹、一方の船木選手は40cm後半から50cmオーバーまでのチヌ5匹を揃えていた。船木選手の連覇をこの時点で一緒に磯上がりした報道陣は予感していたが、港に戻るとそれ以上の釣果に出迎えられることになった。
「60・9cm!」
 薄墨さんの声が港に響く。広島県大会優勝の木村公治選手が見事自己新記録となる60cmオーバーを手にしていたのだ。一緒に磯上がりした浜本選手、高橋誠選手も50cmオーバーを揃えており、ハイレベルな戦いが3選手の間でおこなわれたようだ。
 しかし検量が終わってみなければ優勝は分からない。次々と検量され、勝利をあきらめた選手もいれば、勝利を噛みしめる選手もいる。まさに悲喜こもごも。しかし釣果うんぬんよりも選手の表情は五島での釣りを満喫できたようだった。
 検量の結果、他を圧倒する11.036kgで木村選手が見事優勝を勝ち取った。2位は9.054kgで前回覇者の船木選手、3位は3.974kgで宮城県代表の高橋良一選手となった。
 優勝した木村選手は「同じ地区の人が磯上がりだったのでリラックスしつつも、負けられない、どこかに2選手よりも差をつけねばと思っていました」とのこと。なんでもハリス、道糸を浜本選手、高橋選手よりも細くし、道糸は1.5号、ハリスは1.2号と五島では細めのタックルで釣っていたのだという。
 「瀬戸内でも80cmを超えるマダイを1号や0.8号の糸で何度か取り込んだことがありましたから、やり取りは自信を持っていました。1匹目は太めな糸で掛けて取り込みをして障害物や藻などの確認をし、これならいけると確信して号数を落としました」と木村選手。その成果が60.9cmという巨チヌを仕留めることができた要因ではないだろうか。
 「今回は60cmオーバーをはじめ、50cmクラスが数釣れ、大会としての競技性はもちろん、選手も競うだけでなく、楽しんで釣りができたのではないでしょうか。今回は木村選手が優勝しました。木村選手にはぜひ連覇を、ほかの選手は打倒木村選手で次回を盛り上げていただきたい」と薄墨さんが大会を総評した。
「釣り場が五島でよかった。天候が快晴でよかった」釣果の上がった要因は数あれど、なんといっても自信を持って細仕掛けで釣るという自分の釣りを未知の地域で貫き通した木村選手の釣技が大会を盛り上げ、彼自身を優勝に導いたのではないだろうか。
      (編集部)

左から3位高橋良一選手、優勝木村公治選手、2位船木和久選手

 

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